日露戦争において、世界最強と謳われたコサック騎兵旅団を破るという奇跡を成し遂げた秋山好古。陸軍大将にまで上り詰めた男の真骨頂は、その威風堂々とした軍功よりも、退役後の潔い生き様にこそ表れている。
元帥府への推薦や政界からの熱烈なオファーを一切断り、彼は故郷の愛媛県松山に戻り、私立北予中学校(現在の愛媛県立松山北高校)の校長に着任した。無冠の教育者として質素な生活を貫き、生徒たちには「男子は生涯一事を成せば足る」と説き続けた。威張ることを嫌い、自らの功績を誇ることもなかった男の愚直な姿勢は、現代のリーダーシップ像にも大きな示唆を与えている。