国家的な復興事業の司令塔として設置された復興庁と、人道支援の最前線に立った日本赤十字社。両組織が歩んできた道のりは、未曾有の被害からの再生に向けた試行錯誤の歴史そのものである。日本赤十字社には国内外から巨額の義援金が寄せられ、被災者の生活再建や医療支援、心のケアに充てられた。
しかし、発災から膨大な歳月が流れた今なお、被災者の高齢化やコミュニティの分断、震災関連死の増加など、解決すべき課題は山積みだ。ハード面のインフラ整備が進む一方で、遺族の心の傷や風化の波に対するソフト面の支援は、今まさに真価が問われている。復興とは単に建物を建て直すことではなく、失われた命の記憶とともに地域の絆を再構築することに他ならない。