『舟を編む』に登場する辞書『大渡海』のモデルとなった実在の辞書や編集者を徹底解説する上で欠かせないのが、老舗出版社における知られざる舞台裏だ。岩波書店や小学館をはじめとする大手出版社では、何十年もの年月をかけて改訂作業が続けられている。
取材によって明らかになったのは、小学館の辞書編集部などで語り継がれる「ぬめり感」のある紙(薄くてめくりやすく、透けない用紙)の開発秘話だ。劇中で馬締たちが求めた極上の紙質は、製紙会社と出版業界がタッグを組んで開発した実在の特抄紙がモデルになっている。2026年の現在においても、紙の辞書の質感を守り続ける職人たちのこだわりは脈々と受け継がれている。