「まさか夜中の2時に40分も並ぶとは思わなかった。でも、最高の体験だね」。豪州シドニーから訪れたマーカスさん(34)は、熱々の丼を手に笑みをこぼす。かつて「飲んだ後の締め」として日本人に親しまれてきた夜食文化は、今や訪日外国人客にとって不可欠な「夜の観光コンテンツ」へと進化を遂げた。
SNS動画をきっかけに火がついたスープの仕込み風景や、職人の鮮やかな湯切り動作。それらを目当てに夜な夜な集まる観光客で、主要都市の有名店前には深夜にもかかわらず幾重もの行列ができる。日本政府が推進するナイトタイムエコノミー(夜間経済)の波に乗り、深夜営業は単なる空腹を満たす場を超え、文化体験の空間としての価値を高めているのだ。