数年前まで業界を覆っていた店主の高齢化問題は、意外な形で解決の糸口を見せた。脱サラした30代の若手や、異業種からの参入者が、老舗の技術と暖簾を引き継ぐ「第三者継承」の事例が急増しているのだ。伝統の味を守りつつも、最新の予約システムや顧客管理を取り入れるハイブリッドな経営スタイルが定着しつつある。
地域コミュニティもこの動きを後押しする。地元住民が出資して店舗の改修費用を支えたり、若手料理人に秘伝のタレのレシピを伝授する講習会が開かれたりと、町全体で食文化を残す取り組みが全国各地で結実している。店主の引退=閉店という過去の苦い法則は、もはや過去のものとなりつつある。