本作の原点となったのは、1986年に出版され大ベストセラーとなった木藤亜也さんの同名日記です。映画版のあらすじと、そこに込められた結末のメッセージを振り返ります。
【映画版のあらすじ(ネタバレ含む)】
愛知県豊橋市で暮らす15歳の少女・木藤亜也は、活発で読書が大好きなごく普通の高校生でした。しかし、高校生活が始まって間もなく、足元がもつれて転倒したり、手が震えて物がうまく掴めなくなったりする身体の異変が現れます。精密検査の結果、小脳や脊髄の神経細胞が徐々に変性・脱落していく難病「脊髄小脳変性症」であることが判明します。
知能や意識は保たれたまま、運動機能だけが少しずつ失われていく過酷な現実に、亜也は「なぜ私が選ばれたの?」と絶望の淵に突き落とされます。しかし、母・潮香の励ましを受け、自らの感情や葛藤を手記に書き留めることで生きる希望を見出していきます。普通高校から養護学校の寄宿舎へと転校し、仲間や教師との出会いを通じて成長する亜也。やがて手足が完全に動かなくなり、言葉を発することも困難になっていきますが、最期まで命の火を燃やし続け、25歳で静かに息を引き取ります。
映画のラストでは、亜也さんが遺した「生きていたい」という魂の言葉が静かに胸を打ちます。悲劇で終わらせるのではなく、困難な状況下でも生き抜いた一人の人間の尊厳を高らかに描き出しています。