「テレビを持たない若年層」というフレーズが使い古されて久しいが、彼らは決してテレビ番組そのものを拒絶しているわけではない。拒絶していたのは、決められた時間にテレビの前に拘束される不自由さだけだ。地上波同時配信の普及によって、番組表の束縛は完全に崩壊した。
現在、主要キー局の番組はほぼタイムラグなしでネット空間へ送出されている。ここで差がつくのが視聴環境のチューニングだ。通信環境が不安定な外出先では、アプリ側の画質設定を「自動」から「中画質(1Mbps前後)」へ意図的に固定することで、パケット消費を抑えつつ音途切れや突然のバッファリングを完全に防ぐことができる。さらに、SNSの実況タイムラインと連携させる際は、数秒から数十秒生じるストリーミング遅延を考慮し、ブラウザ版とアプリ版のキャッシュクリアを定期的に行うのが愛好家の間では常識となった。
無料でありながら、従来の据え置き受像機を上回る柔軟性。倍速再生やチャプター送り、追っかけ再生を駆使すれば、1時間の情報番組から必要なニュースだけを15分で摂取する芸当も造作もない。