インドネシア・西ジャワ州を流れる全長約270キロメートルのチタラム川は、首都圏の水資源の約8割をまかなう極めて重要な一級河川です。しかし、2000年代以降にメディアで報じられたその姿は、水面全体がペットボトルやビニール袋、家電の残骸などで完全に覆い尽くされ、水の色すら確認できない異様な光景でした。
川の周辺では深刻な異臭が立ち込め、重金属や化学物質による水質汚染が進行。鉛の濃度は飲料水基準の1,000倍以上、水銀やヒ素なども検出され、川の水に触れただけで皮膚炎を発症する住民が続出しました。かつては豊かな生態系を誇り、川魚を捕って生活していた漁師たちが、いつしか「水面に浮かぶプラスチックゴミを拾い集めて売る生活」へと追いやられてしまった現実は、世界中に強い衝撃を与えました。