日本の世紀末観を決定づけた最大の原動力が、ノストラダムスの予言である。16世紀のフランスの医師・占星術師が残した詩編は、1970年代に日本でベストセラー書籍として紹介されるや、爆発的な認知を得た。「1999年7の月、天から恐怖の大王が降ってくる」というフレーズは、子どもから大人まで心理的な刷り込みとなって刻まれたのである。
世紀の終わりが近づくにつれ、オカルト番組や雑誌企画は連日のように「1999年地球滅亡説」を煽り立てた。実際には何も起こらなかったわけだが、この集団的な焦燥感こそが、当時のカルチャーシーンに計り知れないエネルギーを注入することになった。