1923年、日本の本格ウイスキー造りに生涯を捧げた創業者・鳥井信治郎の手によって、この地に最初の蒸溜釜が据え付けられた。本場スコットランドで蒸溜技術を修めた竹鶴政孝を初代工場長として招聘し、二人の熱き情熱が交差することで伝説が始動した。当時の日本の洋酒製造業において、スコッチに抗し得る本格的なモルトウイスキーを造るという試みは、無謀な挑戦と捉えられていた。
しかし、気候風土の違いを克服して完成した原酒は、日本人の繊細な味覚に寄り添う独自のスタイルを獲得する。半世紀以上の時を経て結実したシングルモルトウイスキー山崎12年は、世界的な酒類コンペティションで金賞を総なめにし、世界基準のジャパニーズ・ウイスキーという新たなカテゴリーを不動のものにした。多様な原酒の原点となったシングルモルト・ウイスキーの芳醇な香りは、今も変わらず世界中の人々を魅了し続けている。