「Doo Wop (That Thing)」のサウンドデザインは、古き良きオールディーズへの敬意と、90年代ニューヨークの硬派なストリート感覚が見事に調和しています。
楽曲の骨格を成しているのは、1950〜60年代のドゥーワップ(Doo-Wop)特有の多重コーラスとピアノリフです。楽曲のイントロやバッキングには、名門ソウルグループ「The 5th Dimension」が1971年に発表した楽曲『Together Let's Find Love』のピアノフレーズや質感が巧みに取り入れられています。そこに重厚な90年代ブームバップのドラムビートが重なり、新旧のブラックミュージックが完璧な形で昇華されました。
さらに、アンディ・デラニーとモンティ・ホワイトブルーム(Big TV!)が手掛けたミュージックビデオも極めて革新的でした。画面を縦に二分割し、「1967年のハーレム」と「1998年のハーレム」のブロックパーティーを同時に描写。ヘアスタイルやファッション、街の風景は30年の時を経て激変しているものの、男女の間に渦巻く駆け引きや人間模様は寸分違わず同じであることを視覚的に証明してみせました。