この強気とも言える価格戦略の背後には、緻密に計算されたグローバル経営の舵取りが存在する。米本社CEOのクリス・ケンプチンスキーが推し進める「質の高い成長と利益率の確保」という世界的方針は、日本法人である日本マクドナルド株式会社の経営陣にとっても至上命令だ。代表取締役会長兼社長兼CEOを務める日色保のもと、同社は従来の「安さを売りにした大量販売モデル」からの脱却を加速させている。
激変する外食産業と厳しさを増すファーストフード業界において、人件費やエネルギー価格の上昇は一過性の波ではない。単にボリュームを追って利益を損なうコスト構造を改め、収益性の高い店舗運営へとシフトする。これこそが相次ぐ価格改定の本質であり、一時的な客数減少のリスクを織り込んだ上での構造改革と言える。