テーブルに運ばれてきた瞬間、誰もがそのボリュームに息をのむ。断面の厚さは指2本分を軽く超える。普通なら固くなってしまうほどの厚みだが、刃を入れると驚くほどスッと通る。
秘密は長年培われた職人の眼力にある。低温の油でじっくりと肉の芯まで熱を通し、最後に高温の油で一気に表面の衣をサクッと仕上げる。この二段揚げのプロセスが、ジューシーな旨味を封じ込める鉄則だ。油から引き揚げた後も、余熱で肉汁を休ませる時間を惜しまない。焦りは禁物なのだ。
サクッという音とともに広がるのは、純粋な豚肉の力強い味わい。油っぽさは皆無で、噛むたびに純度の高い旨味が口いっぱいに弾ける。この感動は、一度体験すると忘れられない。