楽天の監督交代劇を語る上で避けて通れないのが、2019年オフに起きた平石洋介監督の退任騒動です。
前年の最下位からチームを立て直し、見事にAクラス(3位)へ押し上げてCS進出を果たした平石氏に対し、当時GM(ゼネラルマネージャー)を務めていた石井一久氏は「バトンを渡す時期」として契約を更新せず、実質的な解任に踏み切りました。生え抜き初の監督として選手・ファンからの信望が厚かっただけに、この決定はファン心理を大きく逆なでしました。
平石氏、そして今江氏の事例に共通しているのは、「フロント主導のチーム作りと現場介入の強さ」です。楽天はメジャーリーグ流の「GM主導型組織」を標榜し、現場の監督には「編成が用意した戦力を最大限に生かすプレイングマネージャー的役割」を求める傾向があります。そのため、フロントの描く青写真と現場の采配にわずかでもズレが生じると、契約期間にかかわらず即座にメスが入る構造が定着してしまいました。
首脳陣が1〜2年で次々と入れ替わる環境は、チームの戦術的アイデンティティを育ちにくくさせ、若手育成の一貫性を損なう要因としても懸念され続けています。