カシスカクテルの原点を語る上で欠かせないのが、1841年にフランス・ディジョンで世界初のカシスリキュールを生み出した創業者オーギュスト・ドゥニス・ラグートの存在だ。彼が創業したルジェ・ラグート社の手掛ける「ルジェ クレーム ド カシス」は、現在もなお世界中で愛され続けるプレミアムカシスリキュールの代名詞である。日本国内においてはサントリーホールディングス株式会社が展開を担い、居酒屋から本格的なバーまで幅広いシーンで定着してきた。
伝統的なリキュールとしての重厚な甘みは、デザート感覚で楽しむには最適であったが、時代の移り変わりとともに飲み手の嗜好は変化している。濃密な果実味を生かしつつ、いかに軽やかで現代的なテイストへ昇華させるか――その答えこそが、従来のジュース割りに留まらない新たなアプローチだった。