店頭価格の落込みは消費者にとって歓迎すべき事態であったが、供給を担う石油・エネルギー産業にとっては存亡の危機を意味していた。原油調達から製品出荷までにタイムラグが存在するため、原油価格が急激に下落する局面では巨額の「在庫評価損」が発生する。これにより、石油元売り各社の決算は急激に悪化した。
このような激震を受け、業界内では生き残りをかけた大規模な事業再編と構造改革が急速に進展することとなった。現在のENEOSホールディングスに至る事業統合や精製設備の集約・廃止への流れは、この時期の収益悪化と将来の需要減退への危機感が強力なトリガーとなったのである。市場の価格乱高下は、国内エネルギー供給網の姿そのものを大きく塗り替えるきっかけとなった。