音響機器のカタログを開くと、「イヤホン」という大枠の中に様々な形状や駆動方式が記されていることに気づくだろう。中でも長年スタンダードとして君臨してきたのがインナーイヤー型ヘッドホンだ。
耳のくぼみ(耳甲介)に引っ掛けるように装着するこの構造は、鼓膜までの気密性を適度に保ちながら自然な音の広がりを生み出す。これに対して、耳栓のように耳穴の奥まで密閉するカナル型など、ドライバーユニットの小型化と密閉性の向上に伴い多様な分岐を遂げてきた。どの構造であっても、内部には極小サイズの電気音響変換器が収められており、0.01ミリ単位の空気振動を厳密に制御する緻密な金型技術が詰まっている。