現在、世界のジュエリー業界はかつてない大きな構造変化に直面している。アフリカの紛争地域で不法に採掘され、過激派の資金源となった原石の問題は、国際社会で厳しい批判を浴びた。この人道問題を告発した映画『ブラッド・ダイヤモンド』や、近年Netflixなどのプラットフォームで配信されるドキュメンタリー番組の浸透により、消費者の倫理的な意識は急速に高まっている。
こうした意識の変容に応えるべく、業界の巨頭であるデビアスをはじめとする主要企業は、ブロックチェーンを活用して原石の採掘地から店頭に並ぶまでの全工程を記録・追跡するシステムを整備した。環境負荷の少ないラボグロウン(人工)ダイヤモンドの選択肢も加わり、「どこで、どのように生まれた石なのか」というサステナビリティ(持続可能性)と透明性が、指輪を選ぶ際の大切な基準として定着している。