順調に治療とリハビリを続けていた巨泉さんの容態が突如として急激に悪化したのは、2016年4月のことでした。この一件は後に「モルヒネ過剰投与問題」として大きな議論を呼ぶことになります。
当時、在宅療養へ移行するにあたり、痛みを抑える目的で医療用麻薬(モルヒネ系鎮痛薬)が処方されました。しかし、患者の体重や体力に見合わない高用量が投与された結果、巨泉さんは意識混濁や極度のせん妄状態に陥り、自力で起き上がることすらできない寝たきりの状態となって緊急搬送されたのです。
病院での懸命な解毒処置と点滴によって一時は意識を取り戻したものの、この医療トラブルによって一度に体力を奪われ、体重は40キロ台前半にまで激減しました。過剰投与による衰弱が、最終的に生命力を奪う決定的な要因となってしまったことは、巨泉さん自身も深く悔やんでいました。