作詞家としての松本人志が「天才」と評される大きな技術的要因は、具体的な固有名詞や象徴的なモチーフを使った鮮烈なコントラストの描写力にあります。
バブル期を象徴する高級ホテルの代名詞であった「赤坂プリンス」や、海外の本格的なクリスマスの象徴である「七面鳥」。これら華やかな記号を歌詞に配置することで、大衆的で素朴な「チキンライス」の赤色がより一層鮮やかに際立ちます。現実のリアルな空気感を描写しながら、ふと挿入される「すんごいまずい」といった関西弁の軽妙なスパイスが、聴き手に過度なお涙頂戴を感じさせず、物語の純度を極限まで高めています。