浅草橋や吾妻橋のたもとから対岸を仰ぎ見ると、誰しもが目を奪われる金色の泡を載せたジョッキ型の巨大ビル。日本の飲食・醸造業を牽引するアサヒグループホールディングス株式会社の本拠地、「アサヒグループ本社ビル」だ。1989年の竣工以来、東京の下町風景に鮮烈なインパクトを与え続けている。
この独創的な建築デザインを手掛けたのは、フランスが誇る鬼才デザイナー、フィリップ・スタルク氏。琥珀色のガラスでビールジョッキの泡と黄金色の液体を表現した本社ビル本館と、燃え盛る情熱の炎を象った「スーパードライホール」のコントラストは、単なるオフィスビルの枠組みを超えた都市のアート作品と言える。伝統豊かな浅草の歴史的景観と、近未来的なアートが融合したこの空間は、建築ファンにとっても見逃せない聖地となっている。