一般的な住宅において、大人の腕の長さは平均して約60cm前後です。これに対し、押し入れの奥行きは約80〜90cm、深型のパントリーやクローゼットも60〜70cm以上設計されていることが珍しくありません。この「腕が届かない差分の20〜30cm」こそが、物を置いても手が届かず、視界からも消え去るデッドスペースの正体です。
無計画に物を詰め込むと、手前にある物を全て出さなければ奥の物にアクセスできない「二重アクセス地獄」に陥ります。この問題を根本から解決する奥行きが深い収納の活用法には、明確な3つの基本原則が存在します。
第1の原則は、奥の空間を手前に引き出す「スライド化(引き出し化)」です。固定棚のまま使うのではなく、ボックスやトレイを導入して引き出しとして機能させます。第2の原則は、使用頻度に応じて空間を前後に分ける「前後2段ゾーニング」。そして第3の原則が、足元や下段の空間を自由に動かせる「キャスター化」です。これら3つのデッドスペース解消法を意識するだけで、日々の収納ストレスは劇的に軽減されます。