くらやみ祭りの露店を語るうえで、その長い歴史的背景を外すことはできない。かつて徳川家康が府中宿に立ち寄った際、この地の繁栄を称え寄進を行ったという記録も残る。当時の宿場町の賑わいを受け継ぐかのように、露天商・飲食業の商人たちが祭り空間を華やかに彩り続けてきた。
ただ物を売るだけではない。軽妙な口上で客を笑わせる飴細工職人や、手際よくたこ焼きを返す職人の無駄のない動き。そこには何代にもわたって受け継がれてきた伝統祭礼・例大祭ならではの「粋」が息づいている。単なる買い食いにとどまらない職人技との出会いも、この祭りの大きな魅力だ。