1980年代、フジテレビの『オレたちひょうきん族』はお笑い界の歴史を塗り替える怪物番組となった。土曜夜8時という激戦区で、それまでの台本通りに進むコント番組のフレームを粉々に打ち砕き、即興性と楽屋落ちの熱気をそのまま全国のお茶の間に届けたのである。ヒップアップもまた、この熱狂の渦の中心人物として欠かせない存在であった。
カメラの向こう側を意識させない自由奔放な現場の雰囲気は、芸人たちの底力を試す真剣勝負の場でもあった。NGを恐れず、ハプニングすらも笑いに変えていく過酷な収録空間で、彼の持つ野生的なカンと即応力が大いに開花していくこととなる。