泣くという行為は、単に目から水分が出るだけの現象ではない。感情が大きく揺れ動くとき、私たちの体内では激しい化学反応が起きている。大泣きしている最中、体内では交感神経が優位になり、心拍数が上がると同時に全身の血管がグッと収縮する。血圧が上がり、頭部の血管も緊張状態に置かれるのだ。
しかし、泣き終わると状況は一変する。副交感神経が急激に優位となり、緊張から解放された途端に血管が急拡張を始める。この血管の「急劇な収縮から拡張への振り子」こそが、偏頭痛(片頭痛)に特有のドクドクと脈打つ痛みを発生させる元凶だ。一方で、泣くときに無意識に目元や頭部の筋肉、首筋に力を入れ続けることで起こる「緊張型頭痛」も同時に併発しやすい。つまり、泣いたあとの頭痛は二重の物理的アタックによって引き起こされているケースが多いのだ。