漫画家・藤子・F・不二雄が描き出した伝説の記念すべき冒頭作が、学年誌などに掲載された『未来の国からはるばると』だ。主人公の野比のび太の元へ、22世紀からタイムマシンに乗ってドラえもんがやってくるという基本骨格はここから始まった。しかし、そこに提示された未来のビジョンは、我々が知るハートフルな日常とは大きく異なっていたのだ。
第1話で明かされる衝撃の事実は、のび太の将来の結婚相手がしずかちゃんではなく、ジャイアンの妹・ジャイ子であるという点だ。さらに、のび太は大学受験に失敗し、自ら起こした会社を火災で失い、莫大な借金を子孫に残すという凄惨な未来が突きつけられる。ドラえもんの目つきもどこか不気味で、口調も粗野。未来を変えるという目的そのものが、現代の基準からすればかなり強引かつスリリングに描写されていた。