花火大会の有料化や大規模規制に対しては、当然ながら地元住民からの戸惑いや反対の声も根強く存在した。「かつてのように近所の浜辺で自由に楽しめなくなるのではないか」「警備の柵が街の景観を損ねる」といった批判は、公聴会や住民説明会の場でも相次いで噴出した。
これに対し、主催側の担当者らは数十回に及ぶ車座の対話集会を重ねた。無料観覧スペースの完全な撤廃ではなく、段階的なゾーン分けと地域専用観覧日の設定、さらには大会当日の交通規制に関する詳細な戸別配布ガイドの作成など、泥臭い合意形成の努力が続けられた。住民の生活環境を守りつつ、地域の誇りとしての花火大会を維持するための妥協点を模索した結果、少しずつ地域ぐるみの協力体制が形作られていった。