オールドメディアで徹底して排除された結果、この表現はインターネットという匿名の言論空間へと逃げ込みました。5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)の創創期から「基地外」「キチ」「キチゲ」といった当て字・派生スラングが生み出され、現在ではX(旧Twitter)やYouTubeのコメント欄、オンライン対戦ゲームのテキスト・ボイスチャットにおいて、プレイスタイルや意見の合わない他者を攻撃する語として常態化しています。
大手知恵袋やコミュニティ掲示板には「バカやアホと同じノリで使っていた」「昔の漫画で見たから問題ないと思っていた」といった投稿が散見されます。しかし、現代の司法判断において、この言葉を他者に向けて発信することは極めて深刻な法的リスクを直結させます。
刑法第231条(侮辱罪)の法定刑が「1年以下の懲役・禁錮または30万円以下の罰金」へと厳罰化されて以降、ネット上の誹謗中傷に対する発信者情報開示請求のハードルは劇的に下がりました。IT法務を専門とする弁護士の取材データによると、特定のアカウントや個人に対して「キチガイ」と言い放つ行為は、社会的評価を著しく低下させる違法な侮辱表現と認定されやすく、20万〜50万円程度の慰謝料支払い命令や弁護士費用の負担を命じられる判例が積み上がっています。「単なるネットスラング」という軽率な言い訳は、司法の現場では一切通用しません。