市立福山の運動場は、他部活との兼ね合いもあり、野球部がフルグラウンドを使える時間が限られている。外野ノックすら満足に打てない日も少なくない。しかし、ナインはこの悪条件を嘆くどころか、逆手に取った。
狭いスペースでも行える室内でのインドア・トラッキング・スイング練習や、超至近距離からの高速マシン打撃など、脳の処理速度を極限まで引き上げる独自のメニューを考案。グラウンドが使えない時間は、徹底的なイメージトレーニングと個別の筋力向上プログラムに充てられた。結果として、狭いグラウンドだからこそ培われた「瞬発的な判断力」と「一球に対する集中力」が、土壇場での逆転劇を生む原動力となったのだ。