被害者の大半は、ネット上で「死にたい」「消えたい」といったSOSを発信していた若者たちだった。容疑者が利用したのは、当時世界中で普及していたX(旧Twitter)だった。「一緒に死にましょう」「楽に死ねる方法を教えます」といった甘言を弄し、DM(ダイレクトメッセージ)を通じて急速に距離を縮めていく。タイムラインの片隅に吐露された一言を、死への誘導灯へと変えてしまったのだ。
アルゴリズムによって類似の悩みを抱えるユーザー同士が結びつきやすくなる構造が、図らずも加害者にとってのターゲットリストとして機能してしまった事実は重い。SNSプラットフォーム側も事件後に規律の強化や有害コンテンツの削除ポリシーの改定に追われたが、ネットの海に潜む捕食者と被害者を切り離す抜本的な解決策はいまだ模索の途上にある。