世間を驚愕させた尊師空中浮遊の真相は、オカルト的な奇跡などではなく、きわめて単純な物理現象と身体運動の産物でした。その種明かしの鍵となるのが、インド伝統のヨーガにおける跳躍技法「ダルドリー・シッディ(カエルの跳躍)」です。
結跏趺坐の状態で足首を太ももに深く組み、臀部や大腿部の筋肉、さらには腹筋を瞬間的に収縮させて床を強く蹴ることで、座った姿勢のまま前方や上方へ連続してバウンドすることができます。麻原彰晃が行っていたのは、まさにこの「あぐら状態での全力ジャンプ」に過ぎませんでした。
写真撮影時には、連続してピョンピョンと跳び跳ねる動作を繰り返し、滞空時間の最高到達点(頂点)に達した瞬間を狙って高速シャッターを切るという撮影トリックが用いられました。頂点では一瞬だけ上下の運動速度がゼロに近くなるため、カメラ越しにはまるで空中で静止・浮遊しているかのような決定的瞬間が切り取られる仕組みです。