「死ぬつもりはなかった」という言葉が、搬送された若者たちの口から繰り返される。しかし、市販薬の過剰摂取は確実に肉体を蝕む。急性中毒を引き起こせば、激しい嘔吐、けいれん、呼吸抑制、さらには急性肝不全や腎不全といった深刻な臓器障害に見舞われる。最悪の場合、心停止に至るケースも珍しくない。
特に市販の風邪薬や鎮痛剤には、主成分以外にもアセトアミノフェンや無水カフェインなどが大量に含まれている。これらを一度に数十錠も服用すれば、肝臓は一瞬で許容量を超え、破壊される。一命を取り留めたとしても、生涯にわたって透析が必要になったり、脳に後遺症が残ったりするリスクと隣り合わせなのだ。一時的な逃避の代償としては、あまりにも大きすぎる。