「毎朝、Slackを開くのが苦痛でした」
そう語るのは、件のプロジェクトに関わっていた30代のソフトウェアエンジニアだ。彼のもとには、異なる部署のマネージャーから、それぞれ矛盾する指示が毎日のように届いていたという。
A部長は「スピード最優先でプロトタイプを作れ」と言い、B部長は「セキュリティの脆弱性を完全に潰せ」と命じる。さらにC役員からは「デザインのコンセプトを根本から見直せ」と鶴の一声が入る。
現場のメンバーは、コードを書く時間よりも、社内政治の調整と「誰の顔を立てるべきか」の忖度に大半の時間を費やしていた。これでは、どんなに優秀な人材が集まっていても、成果が出るはずがない。