日本最高峰の甘味として定評のある和三盆だが、その製造を支える拠点は四国の東部に集中している。香川県で生産されるものは「讃岐和三盆糖」、徳島県で作られるものは「阿波和三盆糖」と呼ばれ、両地域ともに数百年にわたり独自の伝統製法を厳密に守り続けてきた。
和三盆の製法が他と決定的に異なるのは、「研ぎ(とぎ)」と呼ばれる独自の工程だ。押舟(おしぶね)と呼ばれる木の槽で圧搾して糖蜜を抜いた後、水を含ませながら職人が手作業で何度も練り上げる。盆の上で三度研ぐことから「和三盆」の名がついたとされるこの気の遠くなるような職人技こそが、雑味のないすっきりとした甘さと絹のような舌ざわりを生み出す秘密だ。