実写ドラマ版で何より高く評価されたのが、主要キャスト陣の圧倒的なハマり役ぶりだ。世話好きで少し口は悪いが、心根がどこまでも優しい主人公・高橋遼平を演じたのは鈴木伸之。大柄で力強い佇まいでありながら、ふとした瞬間に魅せる繊細な眼差しや方言のぬくもりが、原作から飛び出してきたかのような存在感を放つ。
一方で、自尊心が低く職場の人間関係に気疲れしてしまうヒロイン・飯野朋子(パン子)を演じた久保田紗友の表現力も見逃せない。周囲の顔色ばかりを伺ってしまう焦燥感や、遼平の前で少しずつ素顔を見せていく変化を、過度な演出に頼らずリアルな息遣いで演じきった。二人が並んだときに生まれる自然な距離感と心地よい空気感こそが、本作の魅力を何倍にも引き上げている。