処方される剤形には、口から飲む「カロナール細粒20%」やシロップのほか、肛門から挿入する「アンヒバ坐剤小児用」「アルピニー坐剤」といった坐剤が存在する。親たちの間では「坐剤のほうが効き目が強い」という俗説が根強く残るが、これは明確な誤解だ。
坐剤も内服薬も、主成分は同一のアセトアミノフェンである。血中濃度の上昇スピードに若干の差はあるものの、最終的な解熱効果に優劣はない。使い分けの基準は、子どもの全身状態と服薬の可否にある。
激しい嘔吐を伴う胃腸炎や、高熱による不機嫌で薬を完全に拒絶する場合は、躊躇なくアンヒバ坐剤小児用やアルピニー坐剤を選択する。坐剤を使用する際は、挿入後すぐに排便と一緒に押し出されていないかを確認し、15分以上経過してから排出された場合は成分が一定程度吸収されているため、直ちに追加投与を行わないよう注意したい。
一方、水分が取れて落ち着いている状況なら、カロナール細粒20%を少量のゼリーやヨーグルトに包んで飲ませるのが適している。水に溶かして長時間の放置をすると苦味が増す性質があるため、一口で飲み切れるペースト状の食品に混ぜる工夫が有効だ。