中村嘉葎雄のルーツは、歌舞伎界屈指の名門家系にあります。父親は名女方として名高い三代目中村時蔵。五人の兄弟全員が舞台・映像の世界で足跡を残した演劇一家の五男として生を受けました。
長兄の二代目中村歌昇、次兄の四代目中村時蔵、三兄の初代萬屋錦之介、四兄の中村獅童(初代=三喜雄)、そして五男の中村嘉葎雄へと連なる血筋はまさに圧巻です。彼らはもともと屋号を「播磨屋」としていましたが、昭和46年(1971年)に一門の結束を固めるため、祖母の生家ゆかりの屋号である「萬屋」を創設しました。
この名門の血脈は現代の芸能界・歌舞伎界にも直結しています。四兄の息子にあたるのが、現代の歌舞伎界および映画界で大活躍する二代目 中村獅童であり、嘉葎雄にとって獅童は甥にあたります。また、次兄の系統からは五代目中村時蔵(現・中村萬壽)をはじめとする俊英たちが育っており、嘉葎雄が歩んだ革新的な役者の魂は、世代を超えてしっかりと受け継がれています。