「飛ばし記事」や独特のユーモアで独自の地位を築いてきた東京スポーツ新聞社を筆頭に、かつての紙面づくりには怪しげな魅力が充満していた。世間を賑わせる三面記事の裏側に潜む人間の欲望や愛憎劇を、どこか斜め上の視点から切り取る手法である。お笑い界の巨匠であるビートたけし氏が客員編集長として独自の企画を打ち出し、社会現象を起こした出来事などはその最たる例だろう。
こうした紙面は、勤め帰りのサラリーマンが買い求める夕刊紙の象徴であり、一過性の娯楽を超えた独自のサブカルチャーとして根を張っていった。エロティシズムとバカバカしさが同居する独特の世界観は、真面目な硬派紙では絶対に味わえない奇妙な熱量を誇っていたのだ。