志和の魅力は風景や温泉だけにとどまらない。日本有数の銘醸地として世界に知られる西条を支える清らかな水源地、その上流に位置するのがこの地域だ。ミネラル分を適度に含んだ伏流水と、昼夜の寒暖差が大きい盆地気候が育む米や野菜は、素材そのものの味が際立つ。
地域の食卓に並ぶのは、過度な創作を加えない滋味深い郷土料理だ。志和堀の清流で育った川魚の塩焼き、寒暖差が生み出した甘みの強い大根や椎茸の煮物、そしてこの土地の水で醸された純米酒。口に運ぶたび、土の匂いと水の清らかさが身体の奥へと染み渡っていく。贅沢とは過剰さではなく、純度の高さであるという事実に、食を通じて気付かされる。