『8時だョ!全員集合』で師匠であるいかりや長介さんの厳格な指導を受け、頭角を現した志村さん。やがて自らが座長となったフジテレビジョンの『志村けんのだいじょうぶだぁ』では、いかりやさんとは対照的なスタイルで座組を包み込んだ。怒声で威圧するのではなく、背中で笑いの間合いを教える指導法だった。
後輩芸人や番組レギュラー陣に対して、志村さんはまるで父親のように接した。食事の席では一切の説教をせず、ただ美味いものを食わせ、惜しみなく小遣いを渡す。悩んでいる共演者がいれば、何も言わずに隣に座ってお酒を注ぐ。
『天才!志村どうぶつ園』で見せた動物たちや若いタレントたちへの慈愛に満ちた眼差しも記憶に新しい。実の我が子を持つことは叶わなかったが、志村さんは現場で出会った無数の才能や仲間たちを、自らの子どものように愛し、育て上げたのである。