代謝の向上は望ましいことのように思えるが、病的な代謝異常が原因で爪の伸びが早くなっているケースには注意が必要だ。代表例が「甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)」である。甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、全身の代謝レベルが異常に高まり、脈拍の上昇や体重減少とともに、爪の成長速度が跳ね上がる。この場合、爪が皮膚から剥がれる「爪甲剥離症」を併発することもある。
また、妊娠期もホルモン環境の劇的な変化によって爪の伸びが早くなる代表的な時期だ。女性ホルモンのエストロゲンが増加し、体内血流量が増えることで爪母の活性化が起こる。皮膚科専門医は、爪の急激な変化に加えて、動悸、指の震え、原因不明の倦怠感、皮膚の乾燥や変色などが伴う場合は、単なるセルフケアの範囲を超えた医学的確認が必要であると警鐘を鳴らしている。