かつて「モテ男」と称された男性芸能人は数多い。しかし、火野正平ほどその浮名が嫌味にならず、むしろ魅力を増す要素となった人物は稀有だ。彼の引きつける力の本質はどこにあったのだろうか。
当時のインタビューや関係者の証言を紐解くと、彼の真骨頂は「押し付けなさ」にあったことがわかる。決して自分を誇示せず、相手の話にじっくりと耳を傾ける。女性に対して威圧感を与えることが一切なく、包み込むような優しさと、どこか放っておけない「母性本能をくすぐる隙」を兼ね備えていた。無理に飾らない等身大の姿こそが、昭和から平成、そして時代を超えて多くの人々を狂わせた最大の理由だ。