平成から令和にかけての数年間は、昭和の屋上文化を象徴する歴史的スポットの「最後の別れ」が相次いだ時代でもありました。なかでも全国的なニュースとして大きく報じられたのが、埼玉県川越市にある丸広百貨店川越店の屋上遊園地「わんぱくらんど」の閉園です。
1968年にオープンした同園は、50年以上にわたり地域三世代に親しまれてきました。シンボルであった屋上観覧車「わいずホイール」やモノレールは、北関東屈指のレトロ遊園地として全国の愛好家から親しまれていましたが、建物の耐震改修工事に伴うスペース確保のため、2019年9月1日をもって惜しまれつつ51年の歴史に幕を閉じました。最終日には数千人のファンや地元住民が詰めかけ、別れを惜しむ姿がメディアで大々的に報じられました。
川越だけでなく、東京の上野松坂屋、東急百貨店東横店、大阪の阪神百貨店など、全国各地の老舗百貨店で屋上遊園地の撤退が相次ぎました。かつて屋上遊園地運営を一手に引き受けていた専門オペレーター企業各社も事業縮小や撤退を余儀なくされ、日本の都市風景から巨大な「青空の遊園地」が静かに姿を消していきました。