遠藤憲一の青春時代は、まさに波乱万丈だった。高校入学後、わずか半年ほどで退学。教科書を校舎の窓から投げ捨てて学校を飛び出したという逸話は、語り草になっている。あてもなくバイトを転々とし、将来への焦燥感とエネルギーをどこへぶつければいいか分からない日々を送っていた。
そんな彼に転機が訪れたのは19歳の時。偶然求人情報誌で見かけた劇団「東京キッドブラザース」の研究生募集に応募し、演劇の世界へと足を踏み入れる。演技のノウハウなど何一つ持っていなかった青年が、泥臭く汗を流しながら自身の身体表現と向き合い始めた瞬間だった。その後、劇団「無名塾」の選考にも残るなど、その異彩を放つオーラは当時から演劇関係者の目を惹きつけて離さなかった。