「讃岐の神社で最も強大なエネルギーを誇る社はどこなのか」――参拝を志す旅行者がまず抱くこの疑問に対し、神道学や社格、現地信仰のリアリティから導き出される答えは、性格の異なる「田村神社(讃岐国一宮)」と「金刀比羅宮」の双璧です。
高松市一宮町に鎮座する田村神社は、古くから讃岐国の一宮として崇敬を集めてきました。香川県特有の気候である「少雨と干魃」に立ち向かうため、地下から絶え間なく湧き出る清冽な湧水を御神体(龍神・水神)として祀ったのが起源とされます。境内には定水井(さだみずのい)と呼ばれる深淵があり、龍神信仰に根ざした金運招福や生命力再生の祈願所として、熱心な崇敬者が絶えません。
一方、仲多度郡琴平町の象頭山中腹に鎮まる金刀比羅宮は、中世以降の神仏習合期を経て「こんぴらさん」の名で全国に広まった大社です。大物主神(おおものぬしのかみ)を主祭神とし、農業・殖産・医薬・海上守護の神として全国から数百万人の参拝者を集め続けています。人生の大きな転機における大願成就や、道を切り開く強靭な決断力を得たい参拝者が目指すべき場所です。
さらに近年、静寂の中で太古の神威を感じたい探訪者の間では、三豊市に位置する讃岐国二宮の大水上神社への注目度が急速に上がっています。賑わいの金刀比羅宮、湧水の田村神社、原生林に抱かれた大水上神社という三社が、2026年の讃岐神社探訪における中核を成しています。