羽田元総理のパブリックイメージとして、今なお多くの人々の脳裏に焼き付いているのが半袖の「省エネルック」です。スーツの袖を切り落としたような独特のデザインは、当時メディアや世論から「ダサい」「総理の品格に欠ける」といった批判や失笑を買うことも少なくありませんでした。
しかし、この取り組みの根底には確固たる信念がありました。1970年代のオイルショック以降、大平正芳内閣などで提唱された省エネルギー運動を実直に受け止め、「自らが範を示すことでエネルギー浪費を抑え、地球環境問題に警鐘を鳴らす」という目的を持っていたのです。
羽田氏は外相時代やサミット(主要国首脳会議)など国際舞台への出席時にも省エネルックの着用を試みるほど徹底していました。当時としては突飛に映ったこの装いも、2005年以降に定着した「クールビズ」の原型として、現在では環境意識の高さを先取りしていた取り組みとして再評価されています。