本作は、単なる懐古的な青春映画ではない。内面に潜む欲望や恐怖を過激に暴き出すサイコロジカル・ドラマだ。主人公の蓮見雄一が抱える孤独は、どこまでも深く、暗い。かつての親友であった星野修介からの執拗なイジメ。逃げ場のない学校生活の中で、雄一が唯一息を吐ける場所が、架空の歌姫「リリイ・シュシュ」のファンサイトだった。
匿名の掲示板上で交わされる言葉だけが、彼らにとっての命綱だったのだ。しかし、その聖域すらも現実の悪意に侵食されていく。崇高なアート性と生々しいリアルが同居する映像美は、当時の映画界に激震を与えた。