「そこに愛はあるのかい?」――長髪をなびかせ、暑苦しいほどの情熱でバラバラだった兄弟を繋ぎ止めた長男・達也(あんちゃん)。演じた江口洋介は、今や日本映画界・ドラマ界に欠かせない重鎮俳優としての風格を完全に確立している。当時の熱血漢のイメージを脱ぎ捨て、硬派なサスペンスから重厚な社会派作品、さらには悪役まで自在に演じ分ける表現力は圧巻だ。音楽活動への回帰も含め、常にクリエイティブな現場の最前線に立ち続けている。
一方、冷静沈着な医大生の次男・雅也(チー兄ちゃん)を演じた福山雅治。彼がその後、日本を代表するシンガーソングライター兼トップアクターとして君臨し続けている事実は説明を要しない。カンヌ国際映画祭での高い評価や、ドーム規模のスタジアムツアーを軽々と成功させるカリスマ性は健在だ。当時、若手としてぶつかり合いながら演技を磨き合ったふたりは、今や日本のエンターテインメント界の両輪として、まったく異なるアプローチで頂点に君臨している。