産地市場の卸売データによると、真鱈の評価が跳ね上がるのは12月から翌年1月にかけてです。青森県むつ湾や北海道沿岸の定置網や底引き網で揚がる真鱈は、産卵を控えて丸々と太り、その腹の中には極上の副産物を蓄えています。
それが、オスの精巣である「白子」です。地域によって呼び名が異なり、北海道では「タチ」、東北地方では「キク(菊)」、京都など関西圏では「クモコ(雲子)」と呼ばれ珍重されます。白子の最盛期は12月中旬から1月下旬であり、この期間を過ぎると放精が進んで質が落ちてしまいます。市場で取引される最高級の白子は、細かなヒダがくっきりと立ち、濁りのない半透明の乳白色をしており、1キロあたり1万円を超える高値をつけることも珍しくありません。
一方、スーパーで切り身を選ぶ際にも、確かな目利き基準が存在します。豊洲市場の仲卸関係者が指摘するチェックポイントは以下の通りです。
- 身の透明感と色合い:切り口が白濁しておらず、ピンクがかった透明感があるものが新鮮。時間が経つと水分が抜け、黄色っぽくくすんできます。
- 血合いの鮮やかさ:背骨付近の血合い部分が鮮やかな赤色を保っているかを確認します。黒ずんでいるものは鮮度低下のサインです。
- ドリップ(肉汁)の有無:パックの底に水や赤い液体が溜まっているものは、旨味と水分が流出しており、調理時にパサつきやすくなります。
なお、真鱈を調理する上で絶対に軽視できないのが寄生虫「アニサキス」への配慮です。タラ類は内臓や筋肉にアニサキスが寄生しているリスクが比較的高いため、鮮魚店やスーパーで「生食用」と明記された特殊な冷凍処理済みのもの以外は、中心部までしっかりと60度以上で1分以上加熱することが鉄則です。