原子爆弾の炸裂時に生じた閃光と轟音は、生存者によって「ピカドン」と呼ばれました。上空約600メートル(広島)および約500メートル(長崎)で核分裂反応が起きた瞬間、中心部に生じた火球の温度は100万度以上に達し、0.2秒後には直径数百メートルの巨大な火球へと膨張しました。
1979年にまとめられた『広島・長崎の原爆災害』などの公的学術資料によると、爆心地周辺の地表面温度は3,000〜4,000度(鉄の融点約1,538度をはるかに上回る温度)に達したと推計されています。この超高温の熱線エネルギーは、爆心地から半径1キロメートル以内の屋外にいた人々に壊滅的な火傷を負わせました。
熱線が放射された直後、数秒のタイムラグを経て猛烈な爆風が到達しました。原爆ドーム(旧広島県物産陳列館)付近では、地表にかかる爆風圧力が1平方メートルあたり約35トン、風速は音速に近い秒速約440メートルに達しました。これにより、熱線で炭化した構造物や人体は一瞬にして粉砕・飛散したのです。